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カート 0

サンゴマの存在



アフリカ大陸の南側にある国々では、
シャーマンの役割を果たす
サンゴマというヒーラーがいます。

身体的、精神的、スピリチュアル的な
治療だけでなく、
戦う人々を守ったり、
迷子の牛を見つけたり、
あらゆることについて占いをしたり。
先祖とつながりながら
薬草や動物の皮などを使って
施術をします。
私は足を運んだことがないのですが、
サンゴマが使う薬草が売っている
市場などもあるそうです。

南アフリカ人口の60%~80%が
サンゴマに治療を求めるらしく
約25万人以上いるとされるサンゴマに対し、
医療を実施する医者の数は
約3万人だそうです。
この数字からも、
サンゴマの存在の大きさが伝わってきます。

ただ、このサンゴマにみてもらうには
お金がかかり、
毎日1500円ほどの賃金で
その日暮らしをしている人にとっては
サンゴマは気軽な存在ではありません。

我が家にお手伝いに来てもらっていた女性は
甥っ子が悪いことに巻き込まれてばかりで
親戚でお金を出し合って
サンゴマにお祓いをしてもらったそう。
海水を飲み、頭からかぶり、
先祖に見守ることを
お願いしたと話していました。

南アフリカの主な宗教はキリスト教ですが、
それとは別にこのサンゴマに対する
信仰がとても深いことがわかります。

ただ、一度だけサンゴマについて
お手伝いに来てくれていた女性と
笑いあって話したことがありました。
ある時、耳鳴りで悩んでいた彼女。
バスに乗るために道で待っている間、
まわりと耳鳴りの話になり
先祖が怒っている耳鳴りよ、と
サンゴマにみてもらった方が良いと
全員に言われたそう。
彼女は頑張ってお金をためていると
話してくれました。

そんな頑張ってお金を貯める彼女に
サンゴマに見てもらうお金を
渡そうと思うと私が息子に話すと
息子から
「とりあえずお医者さんに
連れて行ってあげれば?」と言われ
はっとした私。
そうか。
それでお医者さんで解決しなければ
サンゴマに行けるようにしたら良いのかと。
サンゴマに対する信仰を否定することではなく
私が知っている方法で
耳鳴りの治療を試すことを提案しました。

嫌がるかなと心配はしていたのですが、
彼女はすぐに同意してくれて
その日のうちに近くの病院へ。

しばらく診察室から戻ってこない
彼女を心配したのもつかの間
戻ってきた彼女の顔はスッキリ。
どうやらごっそりと耳垢がとれたそうな。
先生が奥まで綺麗にしてくれたと
喜んでいました。
2人でサンゴマの出番じゃなかったね、と
帰り道に笑った良い思い出です。

サンゴマは、
不調を抱える人と、
その原因となる
先祖やつながりのない霊をつなげ
平穏な日々が戻るように
バランスをとる役割を果たします。
選ばれし者しかサンゴマになれず、
選ばれた者は、
サンゴマになる運命を受け入れ
訓練を受け、
サンゴマになる道を歩むのが鉄則です。
そうしないと体調が悪くなるなど、
良い方向に進まないとのことです。

国連連合エイズ合同計画(UNAIDS)という
国際連合機関は、
サンゴマと近代医療はぶつかるものではなく
上手に融合させることができるという
結論を出しています。

南アフリカがもつサンゴマという信仰。
知れば知るほど興味深く
アフリカの文化を覗かせていただくことで
新たな文化、生き方を学べます。

この南アフリカ情報コラムは
新たな世界を知るきっかけに
なれたら良いなと思っています。
興味をもった方は
是非さらに調べてみてくださいね。

世界は広くて面白い!



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